∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

完全休養日と自由時間

◇本当に久しぶりに完全休養してしまった。
 先日からの風邪が未だに直らないこともあるのだが、それ以上にドタバタ&ボロボロになりつつあるマインドをリフレッシュさせる必要があるな、と感じたのが一番大きな理由だ。
 やはり病気は気分を滅入らせる。「病は気から」と言うけれど、マインドが動き始めなければ風邪も直らないということなのかも、なんてことまでウツウツと考えてしまった。きっと、風邪をこじらせていなかったら、今でもガシガシ前のめりで進んでいたはずなのに。
◇と言いながら、雨の中、開催が遅れていた『写楽展』を東京国立博物館に観に行った。情けないけれど、ハンカチ片手に、である。
 日本の多くの美術館やだけに留まらず、ボストン、ギメ、ホノルルなど各国の浮世絵コレクションからも作品が集結し、想像以上の点数が、きちんと整理され、見せ場を作りながら次から次へと展示されている。さすが東博「よくぞここまで」と、写楽の力量と同時にキュレーションの力量まで関心してしまった。しかし、風邪気味の僕にとって、あの点数はオーバー・ボリューム。さすがに疲れてしまった。
◇ゆるゆると『写楽展』を見た後、また雨の中を歩いて工事中の上野公園経由で不忍池の『弁天堂』へ。雨だけに人もまばら。桜の頃のあの大混雑ぶりがウソのようだ。
 お参りをして、例月通り『融通守銭』を交換。これも、いつの頃からか、毎月交換しないと気持ちが落ち着かなくなった「神社グッズ」のひとつである。
◇上野でコーヒーを飲み、煙草を吸った後、帰宅。読んでいなかった山本一力の文庫本を一冊、一気に読んでしまった。
◇なんとも贅沢な一日だった。少しマインド・リフレッシュができた。ありがたい。
 だが、正直なところ、大震災で被災した人々、復旧・復興に携わっている人々、ボランティアで活躍している人々、多くの「極限状態」の中で生き、働いている人々のことを考えると、少し後ろめたい。一日を完全に自由時間にしてしまい、精神の解放に充ててしまった自分が後ろめたい。どこかに逃げ場を見つけられる自分自身の贅沢さも申し訳なく感じてしまう。これが「自粛」というものだろうか。
 勝手な論理かもしれないが、自分が元気であることからすべては始まると自分に言い聞かせよう。
◇明日でちょうど2ヵ月。まだ、復興は始まったばかりのこの時期、直面している多くの人々にとって本当の自由時間がくるのはいつになるだろう。
 心の中にしまい込んだ「澱(おり)」はいつまでも残る。だが、日常生活の中に「自由時間」が生まれる時、その時こそ、被災した人々にとっての復興の最初の日。その日が早く来ることを、ひたすら祈ろう。
[184/1000]