∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

《情報の洪水に中で─その3》

【SNS革命】


 政治家や専門家が「想定外」という言葉ばかりを発言していた頃、ツイッターやユーチューブ、海外のニュースメディアにはあらゆる情報が集まっていました。
 ツイッター上では個人の行動を克明にツイートする方がいる一方で、貴重な専門情報を書き込んだブログとリンクさせたツイートも数多く現れました。また南三陸町の町長さんのようにユーチューブで「実情を生の声で発信」する必死な首長まで現れました。
 もちろんそのすべてが正しい情報だったわけではありません。明らかにデマと分かるものから巧妙に仕組まれた煽動的なものまで非常に多くのコメントがアップされました。
 それにしても海外のニュースメディアの取材がストレートに現実を映し出していたのに対して、日本のメディアがどこかしら控えめ、というか真実に肉薄していなかったのはどうしてでしょう。日本の取材者の力量が劣っていたとは思えないのですが……。


 政府や専門家の公式発表が信じられなくなったなか、SNS上では自ら真贋を見分けながら情報を収集する作業が始まったわけです。
 誰かが言い始めたわけでもないのに、まるで水が湧き出るが如く「情報革命」が起きました。確かに「アラブの春」とはまったく違う趣旨で広まったものでしたが結果は同じ。市民が直接的に情報を発信し、意見を戦わせる環境があっという間に広まりました。


 報道機関や政府がこの状況を見逃すわけはありません。表面的には独自取材を装っていても、情報発信の時系列を検証していけばSNS上のコメントをもとにした取材の痕跡はいくつも残っているといってもいいでしょう。


 あの日から一年経つ今、未だに政府発表は信じられない状況が続き、そのためにガレキの処理まで素直に受け入れられない日々が続いています。
 やってはいけない情報操作をやっていた政府や専門家や関係者が少しでもこのことに気が付いていれば少しは事態も変わったのに。彼らには「今からでも遅くないのでは」とあえて問うていきたいものです。


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