∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ペーパームーンに座った夏の大三角形

夏の大三角形


 昨夜、東の空を眺めていると群を抜いて輝く3つの星を見つけました。同時に、それらを結ぶと大きな三角形が中空に現れることも。
 「あの星は何だ?」さっそく帰宅して星座表をチェック。星空を見ることは好きだけれど天文の知識はゼロに近い僕のこと、ようやく判りました。
 縦長の三角形の一番下でひと際輝いているのが『わし座のアルタイル』。その真上、一番長い辺の頂点に位置するのが『はくちょう座のデネブ』。ほかのふたつの星と比べると輝きの弱いものの右側の頂点を形作っているのが『こと座のベガ』ということです。
 そしてアルタイルが七夕の彦星、ベガが織姫ということも知りました。さすが東京の夜空だけに見えなかったのですが、アルタイルとベガとの間には天の川が流れているワケです。
 きっと天の川が見えるほど暗い地域だともっとドラマチックな天体ショーが見えるんだろうな、と思いつつも、空が明るい東京だからこそ夏の大三角形がくっきりと見えることの幸運も感じてしまい「余分なものが隠れ、際立つ星だけが見えるのもいいもんだ」などと独り言まで……。


ペーパームーン


 そんな夏の大三角形の左下を見ると文字通りのペーパームーンが。ごく薄く鋭利な刃物のような細い細いお月さまです。大三角形の雄大さをピリッと引き締めるかのようなシャープなスタイリングの月が創り出した絶妙な「絵」に見惚れてしまいました。
 ところでペーパームーンには「作りもの」とか「役に立たないもの」という意味があります。しかし、もうひとつ。1930年代のアメリカでは「写真館でペーパームーンを背景にして写真を撮るのは、人生の幸福な時を記録する」と言われていました。そんなところからあのナットキングコールが歌う『ペーパームーン』が生まれ、それを主題歌にした映画の名作も作られたわけです。


 ということは、昨夜、織姫と彦星はペーパームーンを背景にして記念写真を撮っていたのかも。


 見事な天体ショーに出会えた素晴らしい夜でした。ひょっとすると、あと一カ月すればもう一度見れるかもしれないけれど、昨夜出会えたことに何かの「縁」のようなものを感じています。