∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

都市機能のマヒ

乗合タクシー


 テレビで温帯低気圧に衰えたハリケーン・サンディがニューヨークを襲っているというニュースを見ていて「この街も弱いなあ。しっかりしているようでそうでもないからなあ」などと漠然と思いながらニューヨークタイムスのサイトにアクセスしてみました。
 マンハッタンやブルックリンなどのエリア・ニュースのページを開くと公共交通機関の状況が表示されています。一部のバスとタクシー以外はすべて不通。地下鉄、電車、飛行機すべて不通。橋やトンネルもほとんどが通行不能とのこと。かなり厳しい状況がこのインフォメーションだけで判ります。
 しかし、こんな状態のニューヨークで動いているタクシーが、いわゆる「乗合タクシー」になって活用されているという注釈が気になります。


 東京も異常気象に弱いという点ではニューヨークと似たり寄ったり。電車が止まればタクシー乗り場に気が遠くなるくらい人が並んだり、交通機関を諦めて歩く人が蟻の行列のように連なってしまったり。
 タクシーは当然、一人か、友人知人でまとまったグループでの乗車です。
 しかし、こんな非常事態の時にタクシーは「乗合」であれば……。たとえば、助手席のウインドウにメッセージボードをぶら下げて○○方面と表記しておいて……。その方面の人なら席に余裕がある限りどこで乗車してもいい。目的地は駅などの拠点。料金は走行距離もある程度勘案した均一の特別料金。
 こんなシステムができれば少しは帰宅困難者も減るのではないでしょうか。もちろんシステム作りには多くの困難が伴うでしょう。行政、警察、企業などがしっかりと連携しても越えるべきハードルは途方もなくあるでしょう。しかも乗車した人たちにも我慢が強いられるかもしれません。それでもこのシステムは非常に有益なメリットが数限りなくあると思うのですが、いかがでしょう。


 停電は電力会社以外は復旧作業が出来ないし、事故や事件は警察、消防、自衛隊が対応するしかないし。帰宅困難だけは公共交通機関の協力があればある程度解消できるのではないでしょうか。
 いつ起こるか判らない都市機能のマヒに対応するには従来の既成概念では難しいはず。発想を切り替えた対応も必要ではないでしょうか。


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