∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

さあ、選挙(その2)

【ここは一人勝ち】


 野田首相衆議院の解散を確約した党首討論をニュースで見た僕は、それがダイジェスト版であるにも関わらず「やった! 一人勝ちだ。さすが一国の首相」と感心してしまいました。
 自民党の阿部総裁を相手に、何がなんでも通過させたい法案を通し、なおかつ民主党が総選挙で優位になるようジワジワと攻め込み、最終的に、言質を取らせたように見せながら実は阿部総裁を追いつめていった手法です。
 ある意味「巧緻な恫喝」だったと言ってもいいでしょう。つまり「条件を呑んで解散してやるから法案を通せ。そちらの選挙準備が未だ整っていないのも知っているし、この条件で話を呑まないと国民からの信頼はすっかり無くなるはず。今なら同等に戦えるゾ」といったところだと感じたワケです。
 もちろん、話の持っていきようの旨さもあったと思いますが、それよりも野田首相の覚悟が圧倒的に勝り、その丹力というか勢いの違いがすべてを決したのではないでしょうか。対する阿部総裁が「まだ最終場面ではない」と思い込んでいたところも見抜いたのでしょう。


 同時に、この解散の確約で多くの民主党議員が離党していことも“読んで”いたと感じています。「自分から出ていくならどうぞ。離党した議員が再選される確率は非常に少ないはず」という数合わせ以外にメリットのない人を切り捨てる時の“去る者は追わず”の思想まで計算したのだろうと思います。


 つまり、あの確約は党の内外に向けた大勝負だったと確信しています。これこそ政治の真髄、個人攻撃を伴わないディベートの見本のような存在。これくらいの迫力と計算が出来なければ一世一代の大勝負で逆転勝利することはできないのでしょう。
 仕事上で大きなトラブルに巻き込まれた時でもこんなワザのごく一部でも身に付けていれば大逆転で優位に立てるかもしれない、などと勝手に想像を膨らませてしまいました。


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