【ひな祭り】
明日は女の子のお祭り、ひな祭り。五節句のひとつで「女の子の健やかな成長」を願うものとして平安時代にはその記録が残っている古くからのお祭です。
このひな祭り、平安時代には「遊びごと」でもあり「災難よけや厄払い」でもあるという二重性をもったお祭だったようです。
ところで、ひな人形は3月3日が過ぎればすぐに片づけないとお嫁に行けなくなるとよく言われます。確かに遊びのけじめ、整理整頓など片づける理由はもっともですが、あれほど華やかな人形をすぐに片づけるなんて、ちょっともったいない気もします。飾り付けてよいとされる立春後にすぐに飾り付けたとしても一カ月弱、もっと楽しんでもいいと思うのですが……。男の僕が言うことではないでしょうね。
ではなぜ、すぐ片づけるのでしょう。ひな祭りの起源とされる中国の伝説を思い出しました。
漢の時代、3人の女子を授かったのに3人とも3日間以内に亡くなってしまった家庭を悲しみ、村人たちが3人を清め水葬に附したことがひな祭りの原点で、それが平安時代、日本に伝わって自らの身に降りかかる災難を紙の人形(ひとがた)に移らせて川に流すようになりました。その伝統は今でも京都の下鴨神社の年中行事として伝えられています。
そんな歴史を考えると「災難を流すための人形を長く置いておくと縁起が悪い。だから祭礼が終わったらすぐに片づける」という風習になったのではないかと想像してしまいました。つまり、遊びと儀式の「いいとこ取り」の折衷案が「お嫁に行けない」という因習になったのではないでしょうか。
そんなことはともかくとして、今日は女の子から昔の女の子まで存分に楽しんでください。甘酒、雛あられ……。おっと、昔の女の子の皆さんはグデングデンにならないようにお気を付けて。
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