∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

友人夫婦との夜

【定例会のはずが】


 毎月一回、定例会と称して夕食を共にしている友人夫婦がいます。そんなご夫婦から土曜日の午後、電話がありました。
 「またメールの具合いが悪くて、そちらからのメールも読めないんです」。
 言葉通りに解釈すれば、リモートコントロールで修復手順を教えれば復旧するはずですが、彼の場合はそれでは直りません。かろうじて覚えている操作方法が少しでも狂ってしまうと、まったく操作できなくなってしまうのですから。
 しかも奥様は最初から覚える気もなければ、メモを取って不測の事態に対処する気もない。アナログ的というか、どんな機械でも動かす方法はひとつしかないと思い込み、違ったアプローチなんて想像もできないという立派なデジタル音痴なのですから。


 ということで、今日は雨の中、友人宅でコンピュータと向かい合って過ごしました。その間、二人はなすすべもなく、僕の後ろで見つめるばかり。
 何をしているのかさっぱり判らないけれど、見ていないといけないのではという気持ちだけが伝わってきます。


 数時間後、リカバーとクリーンナップが終わりました。原因はいつもと同じ。ちょっとした体調不良でも自分が何をやっているか判らなくなってしまう彼が削除してはいけないファイルを削除してしまったからです。今回の場合は先日の台風による気圧と気温の変化が原因ではないかと想像しています。
 軽いとはいえ認知症を患ってしまった彼にとっては、ちょっとしたトラブルでも覚えている知識のなかで解決しようと焦ってしまい、それで直らないと壊れたと結論づけてしまうのです。つまり、知識の蓄積や応用が数年前のある時点でストップしてしまった彼にとっては「直したのに直らない」ということになるのです。
 今回で何十回目になるでしょう。それでも元通りに直ってよかった。もし元通りにならなかったら、詳細なメモを書いて、奥様のナビゲーションに頼らないと使えなくなるのですから。


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