【朔日の新年】
新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ところで、今日、1月1日は月の満ち欠けからいうと新月。つまりお月様が見えない状態の夜です。天文学的に言えば、それでおしまいですが、旧暦で考えれば『朔日(ついたち、さくび)』。そして昨日は『晦日(みそかび)』。晦だけなら『(つごもり)』。一年の最後の晦は『大晦日』と呼ばれてきました。
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※樋口一葉が著した『大つごもり』は貧困の中で迎えた大晦日を描いたもの。また井原西鶴の『日本永代蔵』では江戸時代の町人の金銭感覚を大晦日を舞台に描いた。※伊勢名物の『赤福』には毎月1日だけ売りだされる『朔日餅』があり、毎月違った風情の餅菓子が供されている。※前月のお礼と当月の安寧を祈る『朔日参り』の風習は伊勢神宮をはじめとして多くの神社で行われている。
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旧暦(太陰暦)で数えれば必ず1日は新月になり、新しい月を新たな気持ちで迎えられたのですが、太陽暦に変わってからはそんな風習も廃れてしまいました。
しかし、今年は新月の元旦に。つまり、これまでの悩みや煩悩を払拭して、今年一年を新たな気持ちで迎えられるめぐり合わせになっているわけです。
ということで、僕はそんなめぐり合わせを素直に信じて、空回りに終始した昨年のことを心の奥底に仕舞いこんで、ゆったりと進む時間のなかで「今年こその決意と計画」に思いを馳せていました。
こんな正月もいいなあ、と独りごちながら過ごす元旦の夜。ひょっとすると新月の効果が現れているのかもしれません。
ともあれ。今年もよろしくお願いいたします。皆様にとって今年が素晴らしい年になりますように。
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