∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

葉巻とラムと音楽と。僕の場合

キューバといえば】

 最高峰の葉巻とラム酒の国というイメージが強いキューバですが、キューバから第三国経由で輸入されたり、キューバから他のカリブ海諸国に移植したタバコの苗木から作られた葉巻は高くて吸えないし、アルコールを受け付けない僕にとってはどんなに素晴らしくてもラム酒はお呼びじゃないし。
 僕にとってキューバといえば音楽の国。チャチャチャやサルサのようなどこまでも陽気で、ひたすらリズミカルなリズムが作り出すサウンドは、どんなに気分が落ち込んでいる時でも一気に気持ちを高めてくれます。
 もちろん、アメリカとキューバが国交を断絶する前に作られた『ラム&コカコーラ』なんてジャズのスタンダード・ナンバーも忘れられない存在。50年台にアンドリュー・シスターズがレコーディングしたものなんて、今でも忘れられないものだと確信しています。

 ですが、実は。レゲエのボブ・マーリーの強力なエネルギーこそキューバらしいのではと感じています。その流れの中で、僕がのけぞるほどビックリしたのがブエナビスタ・ソシアルクラブです。
 初めて聞いた時、僕はその迫力に思わず全身に心地よい緊張感というか電気のような戦慄が走りました。そしてCDの中に入っていた写真集的なライナーノーツを見てもう一度驚きました。ハッキリ言って年寄りばかり。それも年季の入った正真正銘の年寄りばかりでした。「マジかよこの人たちって一体どうなってんの」と呆れてしまいまいした。
 それが彼らとの出会い。その時は、あのライ・クーダーが見出したハバナの老プレーヤーというという裏話を知りませんでした。それだけに「世の中にはすごいアーチストがいるもんだ。知ってよかった」と嬉しくなったのを覚えています。その後、彼らの映画を見て、またビックリ。「こんな狭い場所でやっているの」とか「ジイさん、歩いて通うのかヨ」と違う世界を見ているようで、いわゆるカルチャーショックに陥りそうだったのも楽しい思い出です。

 そんなカリビアン・サウンドの聖地、キューバがこういう形で注目されるようになるとは思いもよりませんでした。国交正常化による経済効果は、という声がいろいろなところから聞こえてきますが、音楽だって忘れずに注目してもらいたい要素のひとつ。ノリのいい経済効果が出されることを期待しています。

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