∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

まだ続く震災

【現実を見つめ直す時】

 阪神淡路大震災から20年。まずは復興という目標に向かってひたすら進んできた施策が今、当初から危惧されてきたほころびが現実の問題として浮かび上がってきています。
 被災者の高齢化や一人世帯の増加など弱者になってしまった住民に対しての社会福祉について。商業施設も含めた復興施設の未活用化などシャッター商店街や復興住宅の空き家問題。当初から想像はされていたけれど現実のものにしないためにボランティアを中心に活動してきた問題が、やはり現実のものになってしまったわけです。
 ややもすると、僕のように神戸を離れ東京で暮らしている人間には直接的には響いてこない問題が多いと思いますが、自分の問題として捉えてみると、いつ自分の問題として降りかかってくるかもしれないテーマばかりです。
 神戸の状況を見つめてきた東北では「神戸の二の舞いはしない」が隠れた標語のようになっているとも聞きますが、まさにその通り。急ぐばかりで矛盾を抱えたままスタートさせた行政中心の街作りは“ねじれ”や“ひずみ”がつきまとっているようです。
 復興とは何か。建物を作るだけが街作りではなく、街を活性化させるためには“人”を見据えることがなにより大切ということが大前提だったと誰もが気付いた今、もう一度、真の復興に向かって見つめ直す時が来たのではないでしょうか。それがこれからの日本の震災対策の根幹に据えられると信じています。

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