∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ミュージアム・スコープの威力

庭園美術館にて】

 ヤボ用を午前中に終わらせた後、白銀台の庭園美術館へ。もちろん、仕事も勉強もぶん投げたままです。

 ずっと行こうと思うばかりで動けなかった『並河靖之七宝・明治七宝の誘惑─透明な黒の感性』をやっと観に行くことが出来ました。驚くほど細密な技法、見事な造形美、類まれな色合い。これほど素晴らしい七宝の作品はほかにはないと言い切れる逸品ぞろいの七宝作品ばかりを集めた展覧会でした。並河靖之七宝記念館所蔵のの作品以外に、イギリスのヴィクトリア&アルバートミュージアム所蔵のものも多く、師の作品がいかに海外で高い評価を得ていたかも判るようでした。
 ちなみに、さすがに月曜日の美術館に行こうという人は少ないのか、それとも雨模様だったからか。とにかくゆったりと観ることができ、満足度もひとしお。ひとつの作品を多くの観客が見つめるという美術館ならでは光景にも出会いませんでした。

 そんな展覧会でフト思ったのがミュージアム・スコープの存在です。美術品を観るために作られた長さ10センチ程度の望遠鏡とでも言えばいいのでしょうか。数年前までは美術館で見かけることが少なく、ある程度離れた所から美術品を観ている人間の周りの人たちは扱いに困っているような印象があった便利グッズです。
 ところが、今日、観に行った七宝展では7割方の方がスコープを使って作品を観ていたのです。「アレッ、ご同輩がいっぱいいるなあ」というのが正直なところ。保護ガラスにピッタリと顔を近づけ、作品にかじりつくように観ている方は唖然とするほど少なかったのです。
 これも観やすかった理由のひとつかもしれませんが、とにかく皆さん、余裕を持って観ていらっしゃるようで、こちらもいつもよりゆったりとした気分で廻ることができました。

 先日から気にはなっていたのですが、ここまで愛用者が増えているなんて思ってもみませんでした。ほかの展覧会でもミュージアム・スコープ持参の方が増えるといいのですが。

[2319]