∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

昼ごはんくらいは

【これぞ春というような日なのに】

 「昼ごはんくらいは散歩の途中に食べよう」。午前中からキーボードの前で集中していたのですが、さすがに「このたっぷりと輝いている光を逃すのはもったいないな」と思うようになり、ついに外出しました。とにかく、今日を逃すと今年の春を満喫出来ないぞとまで思うような素晴らしい天気だったんです。
 とはいっても仕事を放り出すわけにもいかず、出掛けたのはいつも動き回っている近場、つまり谷根千方面ですけどね。

 グルっと一周して、最後にたどり着いたのは千駄木の小さな小さな中華屋さんでした。名前は言いません。狭いし、オンボロだし、オヤジの目つきは怖いし……。唯一の救いは奥さんらしきオバサンだけ。彼女だって客の注文を聞くよりも麺を茹でたり、食器を洗ったりするほうを優先しています。

 あまりにもオンボロな店構えなので、気にはなっているけれど遠慮したほうが無難という店ですが、味はいいんです。抜群と言ってもいいくらい。味の良さがお店としてのマイナス点をすべてカバーしています。

 ご自慢の担々麺は濃厚なごまペーストの後味を山椒の辛味がサッと忘れさせてくれるもの。食べている時はネットリとしていますが、食べ終わるとスーッと山椒の辛さが口中を爽やかにしてくれます。塩味の鶏そばはあっさりとしているのに奥深いスープ。チャーハンは潤いがあるのにパラッとしたもの。「パラッ」というのと「パサパサ」というのをはき違えたものとは別世界に存在しています。カリッと揚げたような食感の棒餃子にも捨てがたいものがあります。

 光も風も気持ちいいし、お昼ごはんもおいしかったし。これで仕事がなければどんなに素晴らしい一日だったろうなんて一瞬考えてしまいました。自分で決めた予定だから仕方ありませんよね。

 明日もこんな天気になってほしいと願いつつ寝ることにします。おやすみなさい。

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