∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

悲壮な声を出し続けた茶トラ1匹

【オマエ、どうしたの】

 午後半ば、そろそろ事務仕事を切り上げて、買い物がてらの散歩に行くかなと思いはじめた頃のことでした。窓の外からどちらかというと悲壮感に溢れた鳴き声が聞こえてきました。
 いつもならこの時間帯の「開けろコール」は無視することにしているのですが、今日の声はどうも雰囲気が違っていたため、窓を開け甘えん坊の茶トラを入れてやると……。
 僕の身体の周囲をグルグルと回りはじめ、足首をアマガミし、指を舐め、挙句の果てには僕を寂しそうな目で見つめながら弱々しい声を出しはじめたのです。

 オマエ、どうしたの。何かあったの。誰かに虐められたの。

 こうなると散歩は中止。このアマちゃんの気持ちを落ち着かせることに集中しました。およそ30分くらい撫でてやったり、息を吹きかけてやったりとご機嫌取りに務めました。とうとういつもどおりにゴロゴロと喉を鳴らしはじめ、遂には目を閉じてベッドの上で寝てしまいました。

 いったい何があったんでしょう。猫嫌いの人に怒られたのか、遠出をして越えてはいけない縄張りを越えて、知らない猫に追い出されたのか、それとも単純に寂しくなってしまったのか。
 何かあった時に僕の所に戻って来てくれるのは嬉しいのですが、ネコ軍団の食事を準備する時間が迫り、自分自身の買い物に行けなかったのが心残り。明日、雪が降れば、その中を買い物に行くことになりそうです。
 ちなみに、開けておいた窓からネコ軍団の面々が次々と部屋の中に入り、いつも通りホットカーペットの上でゴロゴロしていましたが、問題のアマちゃんも一緒になって身体を伸ばしていたところを見ると、落ち着いたのでしょう。マッ、ひと安心と言ったところでしょう。

 それにしても、怖かったり、寂しかったりした時には誰かに甘えたいという気持ちは地域猫と言えども人間と言うのがよく判りました。これからは付き合い方に気をつけます。

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