∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

到来。祭の季節(その1)

【東京の下町は今年も燃えます】

 5月12日。今年も東京下町に祭の掛声が響き渡る季節がやって来ました。

 神田明神の名で知られる関東の総鎮守、神田神社の祭礼と、上野駅近くにある都内最古の稲荷神社の祭礼を皮切りに、5月19日からの三社神社、小野照崎神社、26日からの湯島天神、石濱神社と続き、6月に入ってからも2日からの銀杏岡八幡神社、6月9日からの鳥越神社、16日には矢先神社と神輿が氏子衆が待つ町内を練り歩きます。これ以外にも小さな神社でもそれぞれ精いっぱいの祭礼が行われます。東京の下町で生まれ育った人間にとって祭は特別の存在。氏子としてここぞとばかりに跳ねて当然ですからね。
 ちなみに、どの祭礼も1〜2日前に神社内で神事を行うので、正確に言えば、祭礼は始まっていると言うべきですが、主役の神輿渡御が祭のメインイベントと捉えれば、神社や町会関係者以外はこの予定で考えていればいいでしょう。

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 20数年前に10数年住み慣れた浅草を離れた僕にとって祭の季節は心躍る時でもあり、自制を強いられる時でもあります。
 担ぎ手でもないのに神輿の渡御に出会うとついつい声を合わせてしまうし、時には半纏もないのに担ぎたくなったりと、気持ちを制御するのが難しくなってしまうんです。言葉を変えると、観光気分ではいられない状態と言ってもいいかもしれません。
 そのため、一般的な観光客の皆さんと違って、この時期は祭礼のスケジュールに合わせて「神輿に出会わないように出掛ける先を選ぶ」ようになってしまいました。

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 江戸の町人気質が今に生きる祭で街を熱い息吹で満たされる季節だというのに、今年も祭に参加せずに痩せ我慢が続けられるかどうか不安になっているオッサンがここにいます。

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