【元を正せばどちらも花崗岩だなんて】
神戸市灘区に「御影」という地名があります。グレーに白が混じったような硬い石で、磨き上げたものは墓石にもよく使われているものです。
神戸で生まれ育った僕は、子供の頃、御影という地名はその石の産地だったからだと教えられたように記憶しています。
今回の西日本豪雨で「真砂土」という土質については、過去の土石流災害時に聞いたことがあるという程度の知識しかありませんでした。ましてや花崗岩が細かく砕かれたものが真砂土だということも、御影石が花崗岩の一種だということも知りませんでした。
花崗岩がボロボロと崩れると真砂土になるということは理解できましたが、いまだにあの硬い御影石がボロボロと崩れるなんて俄には信じられません。
真砂土分布図をインターネットで調べてみると、西日本一帯はほとんどで真砂土が分布しています。つまり、広島や岡山だけでなく、六甲山系を控えた阪神間や京都府南部でも今回のような土石流が起こりうるということです。
ひょっとすると、昭和13年7月に起こった阪神大水害も真砂土が影響していたのではないでしょうか。──なぜ阪神大水害のことを知っているかは、いつかまた別の機会に。
とはいっても、花崗岩質の地域は「おいしい地下水が出る」「天然の良港が生まれる」地域でもあります。灘や広島、伏見などの酒どころ、呉や神戸などの港がそれに当たります。
長所の裏には短所あり。
「だからどうなの」と言われそうですが、やけに花崗岩が気になっています。地質や土壌も災害予防の切り口のひとつとして押さえておくべきということがよく判りました。
[2811]