∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

台風が去り、日本の夏が戻ってきた

【日本は水の国】

 東京から台風が去り、夏の陽射しが戻ってきた日曜日。蒸し暑さも戻ってきました。命の危険を感じるほどの猛暑より、じっとりと湿気がまとわりつくような高温多湿こそ日本の夏。また猛暑が戻ってくるようですが、それまではこの状態の中で過ごすことになりそうです。
 猛暑も辛いけれど、高温多湿も辛い。それでも暑い夏が好きという僕はどうやって快適に過ごせばいいんでしょう。

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 20年以上前の話です。15〜16日滞在していたアメリカから帰国する時、僕は成田上空で着陸体勢に入った飛行機の窓からぼんやりと地上を眺めていました。
 夜の雨の中、地上では住宅の光や高速道路の照明が烟りながら灯っていました。

 その時、はじめて知ったんです。日本が水の国だということを。

 滞在期間中、一度も雨が降らなかったうえに、湿度の低いアメリカの中でも特に湿度が低いドライレイク近辺で数日を過ごしたからなのか、湿気に異常なほど敏感になっていた僕は、雨にけぶる成田の市街地を見ただけで身体の中に水分が戻ってきたように感じたのです。
 上空で確認していたとおり、着陸して外に出ると雨が降っていましたが、この時の雨ほど気持ちのいい雨はいまだに出会っていません。グッチョリ濡れるのは勘弁してほしいと思うことばかりです。

 今思うと、その時以来、日本に抱いていた印象に変化が起こり始めていたのかもしれません。自然、人、文化、生活環境……。何もかもを見直しはじめた結果、自分が漠然とした意識の中で生きてきたことに気がついたのです。
 同時にアメリカ以外の国や地域に出掛けても、まず最初に気候も含めた自然と生活環境や風習、そこで暮らす人々の意識などを考えるようになっていきました。
 そんな視点を持つようになってからは、どこへ行っても「比較」するようになったのではないかと感じています。
 建造物、食事、習慣、美意識など何もかもです。比較しなかったのは、自然環境よりも歴史的、人的影響が強い「言葉」だけだと思います。

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 蒸し暑くて体力の消耗が激しいこれまでの日本の夏。暑すぎてクラクラするような猛暑の中で過ごす新しい日本の夏。今年はどんな夏になるのか、楽しみにしようじゃないですか。

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