∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 40年ぶりの大塚 ≡≡

変貌中のエネルギーを感じる街

 都電が横を走る坂道を上っていき、途中で左に入っていき、今のファッションシーンで欠かすことができない存在になっているブランドの本社(とはいっても当時は住宅をリフォームした程度のものでしたが)を訪れる。

 40年ほど前、社会人になったとはいえ、まだまだ若造だった頃、大塚に時々行くことがありました。
 JR池袋駅からひと駅しか離れていないのに、あの喧騒とはまったく無縁。当時はどちらかというと“出遅れた街”という印象しかありませんでした。

 ちょっとしたヤボ用を済ませてから、雨の中を歩き回ったんです。昔は小さなかった駅が大きな駅ビルに変わったからか、当時の雑然とした印象はすっかり影を潜めていました。あえて言えば、JRから都電の停留所に行く時グルっと回らないと行けないのが唯一の歴史の面影のような気もします。

 そんな街を歩き回っていると、街の外観には昔の印象がそのまま残っているのに、歩いている人たちの印象がすっかり様変わりしていることに気が付いたのです。ずっと“出遅れた街”だと思っていたのが間違いだったようです。
 まず若い世代の服装がまったく違っていました。昔は、池袋の隣りという土地柄、わざと薄汚れた格好で過ごすのが生き甲斐と思っている学生が多かったのに、今ではスッキリとした印象の人ばかり。しかも小さな子供を連れたお母さんも増えているような気がします。

 となると、商店街の店舗も代替わりして当然のはずです。それなのに街並みに大きな変化がないということは、今はまだ大きく変貌するためのエネルギーを溜めている途中なのかもしれません。

 JR山手線の中では珍しい地下鉄との接続がない駅を中心に広がってきたこの街にも都市化の波が押し寄せ、世代交代も起こり始めているのかもしれません。いい街に育ってくれえばいいのですが。

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