∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 皇位継承問題の行方は ≡≡

揺るぎ難い伝統と現実論の狭間で

 連休中の一日としか思えなくなっていますが、何を隠そう、今日は72回目の憲法記念日です。

 そんな今年の憲法記念日、僕の頭の片隅で、日本国憲法の下に制定された皇室典範、特に皇位継承についての定義ってどうなっているんだろうという疑問が浮かんできました。
 とはいっても、法律の条文のこと、すぐに理解できるものは少しです。言葉の意味から調べないと理解できないものだってたっぷりと出てきます。ですが、それでも知っておくこと、議論することの論点が見えてきたような気がしています。

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 憲法の第一章第二条には「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあります。
 ということで皇室典範を紐解いてみると、第一章皇位継承第一条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定められています。
 また、第二条で皇位継承順位を「一 皇長子 二 皇長孫……」と定められています。
 そして、附則の中には「嫡男系嫡出の者」という継承の定義が記されています。

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 男親の系譜で生まれた男子を皇位継承が条件であること。大正時代に側室制度が廃止されたこと。このふたつの定義を踏まえると天皇皇后直系の男子にしか皇位継承権はないことになります。
 ところが、現在の皇族にこの定義を当てはめると皇位継承権を持つ方はわずかしかいらっしゃいません。しかも将来的に「男子」が生まれるかどうかも不確実です。
 もちろん、側室や養子は許されていません。つまり今上天皇も含め126代の天皇は「何があっても直系の男子」にこだわってきたわけです。
 こんな状況を受けて、政府は平成半ばに「直系の長子(天皇の最初の子ども)」を継承者にすることを容認しました。つまり、「女性天皇」「女系天皇」もあり得るとしたわけです。
 現実を見据え、割り切ればこの見解もやむなしでしょうが、天皇とは何か、象徴の意味とは何かを考えていけば、万世一系の現人神とされた天皇制の根本まで踏み込み、考え直すことになったのは当然でしょう。

 旧習にこだわる人。現実に即した考えの人。皇室典範に則って天皇制の消滅を危惧する人。なかには皇位継承順位第二位になられた悠仁親王殿下と将来的に結婚する女性に「男子を産まねばいかん」と圧力を掛ける人だって出てくるはずです。

 改憲論議が続くなか、憲法第九条の議論以外に、皇室典範とも真っ向から取り組む時が来ているのではないでしょうか。

 個人的には、女王あり、別家ありという近世以降の英国王室のあり方に答えが隠されているように思っています。

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