∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 米屋で三社祭談義 ≡≡

見る人、担ぐ人。どちらも気になる天気予報

 ここ10数年、同じ米を同じ分搗きで買っている三ノ輪の米屋さんで分搗きが終わるまでの数分間、三社祭の話題で盛り上がりました。

 正確に言えば三社祭は金曜日から始まっていますが、盛り上がるのは今日行われる氏子44カ町の町御輿が三社神社でお祓いを受けた後、浅草寺裏に勢揃いする連合渡御から。いつもは観光バスの駐車場になっている広場が町御輿で埋め尽くされるのです。
 ちなみに、若い頃には担ぎ手の一人だった僕も可能な限り休日出勤せずに町内からの長丁場を担いでいました。

 そんな僕が気になっているのは「三社なのに雨が降らない」ということなんです。

 大川(今の隅田川)に打たれた投網に掛かった菩薩像、つまり観音菩薩様を祀るために浅草寺[音読みでせんそうじ]が建立された後、「自分を大川から拾い上げた三人を祀る権現神社を建立するように」という観音菩薩のお告げに基づいて作られたのが三社神社である。

 こんな起源を持つためか、浅草神社[訓読みであさくさじんじゃ](通称三社神社)の祭礼に水と投網は欠かすことの出来ない縁起物なのです。投網は町会別に決められた藍染の半纏に印された留柄としてお馴染みですが、雨が降るかどうかは、まさに天気次第です。

 雰囲気に酔い、街中に溢れる御輿を見るために集まった観光客の皆さんにとっては晴れている方がいいに決まっていますが担ぎ手にとってはまるで逆。雨が降ってほしいんです。

 三体の御本尊が神社を離れ氏子町会を渡御される本社神輿(御輿ではありません)は雨が降ってこその縁起物なのです。つまり、日曜日は雨であってほしいんです。
 雨が降ると、水が火照った身体を冷やしてくれ、疲れ方が大きく違うという実利だってあります。日本酒や水で体内の水分量を保つのも大切ですが、汗だくになった半纏と鯉口を通して染み込んでくる冷たい水で身体を冷やした時の心地よさは何物にも代えがたいものなんです。

 さて、日曜日は。観光客の皆さんにとっての好天になるのか、それとも担ぎ手にとっての好天になるのか。どうも、観光客の皆さんに歩がありそうですね。

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