ごもっとも。しかし……
昨日、文部科学省から「氏名の英字表記は氏(姓)を先に表記するよう配慮してほしい」という要請があったようです。
漢字文化圏の中で氏名の英字表記を名→氏の順で表記しているのは日本だけという現状を考えると、たしかにごもっともな要請でしょう。まっ、オリンピックを控えてという説明は余計な雑音のように感じますが。
とはいっても、表記の順を入れ替えるだけで済む問題なのかどうか疑問に感じているのも事実です。
英語文化圏の表記を優先する。漢字表記は日本語化して音読みにする。こんな慣習(因習?)が染み込んだ日本人に突然こんな要請をされても新たな戸惑いが生まれるだけではないでしょうか。
ちなみに、国語審議会からは「英字表記は氏を先にするのが望ましい」という答申が出ていたようですが、文字通り“答申”に終わっていたようです。
政治的な優位性や意味を考慮に入れずに、この要請を素直に捉えてみましょう。
たとえば「氏」は大文字(キャピタルレター)で表記して姓(ファミリーネーム)を明確にすれば、より氏名の区別が明確になるはずです。
また、デジタル機器でアルファベット表記する場合はすべて半角表記にすれば、海外のサイトでのエラーも激減するでしょう。
同時に、たとえ漢字表記であっても使用国の発音に近い表記に統一して、相手国にある種の敬意を払うようにすることも必要ではないでしょうか。
オリンピックを機に国際化の浸透を目指すなら、すべては慣習を見直すことと、それに基づいた官公庁式の表記を改めることに掛かっているのではないでしょうか。
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