大混雑も我関せず
心にトゲが刺さった時、気持ちがざらついた時、ひっそりと自分だけの時間を過ごしたい時。こんな時、僕は上野の東京国立博物館、いわゆる東博に行くことにしています。
途切れてしまった習慣を復活させて数年。誕生日になると自分で自分に『友の会パス』をプレゼントして“空白の時間”を楽しめるようにしてきたのです。
ちなみに、このパスがあれば全国4カ所の国立博物館の常設展や企画展はフリーパス。特別展も年に4回は特別入場券で入場できるようになります。
今日の午後はそんな東博の本館で過ごしました。
いつものように自転車で行き、玄関横に駐輪しようとすると入場ゲートに異常に長い列が出来ているのを発見しました。ここ数年、海外からの観光客が増えて、以前のような静けさを失ったとはいえ今日の混雑ぶりは異常でした。
原因は『三国志』の特別展。人気があるとは聞いていましたが、ここまでとは。
余談ですが、東博ではこの夏から列に並んでいる人たち向けに黒地の女性用日傘に白く「東博」と書かれた“日傘の貸し出し”を始めたようです。
そんな喧噪を横目に僕は本館に。数週間前に楽しませてもらった『奈良大和四寺のみほとけ』の企画展をもう一度楽しむことからはじめて約3時間。次々と視野に入ってくる国宝や重要文化財、稀代の名作を見ている間に、心のささくれやざらつきも薄らいでいったようです。
何か特別なものを観るために美術館や博物館に行くというのが常道でしょう。でも、博物館を“心の病院”代わりに利用したっていいと思いませんか。
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