観音様と三社様に
日本語が戻ってくる日
三が日も過ぎ、少しは初詣の人出も落ち着いたはずと浅草寺と三社神社にお参りに出掛けました。
僕にとって本来なら年のはじめ一番にお参りすべきところだけど、あの大混雑だけは御免被りたいと思い4日にお参りに行くようになってから30数年。今年もこの日にお参りすることにしました。
観音様にお参りを済ませた後、三社様へ。時間を掛けてお参りした後は、回向堂に勢揃いした仏様と小さな祠に納められた大黒天や恵比寿様にもご挨拶を。例年通りの初詣を済ませました。
そんななかで気になったのが「日本語が聞こえてくる」という当たり前のようで当たり前でなくなってしまった事実でした。
世界各国の観光ガイド本やサイトで「東京観光で浅草寺は外せない」と紹介されている浅草寺が世界各国の言葉で溢れるようになってから数年経ちました。
インバウンドの人たちが増え始めた数年前は、中国語と英語がほとんどでしたが、今ではアジア各国の言葉はもちろんのこと、フランス語やスペイン語、そして何語か判らない言葉まであちらこちらから聞こえてくるのが当たり前になっているのですが、今日は様子が違っていました。
360度あらゆる角度から日本語が聞こえてくるんです!?
変な言い方ですよね。でもそうなんです。
なんと言っても初詣は日本を代表する風習のひとつ。初詣なんだから大混雑の浅草寺に行ってみようと考えている人が多くなるのは当然ですが、その結果、日本語の比率が非常に高くなり、外国語の比率が下がっているのではないかと僕は想像しています。
逆に言えば、普段は日本各地から訪れる人よりもインバウンドで訪れる人のほうが目立っているということになります。つまり、たとえ観光地化していても浅草寺に訪れる日本人がいかに少ないかを表していると考えてもいいわけです。
聞こえてくる言葉だけで「日本の社寺を訪れているのはインバウンドの人たちが中心」と極端な考え方はしたくありませんが、なんだか微妙な心境です。
今年の初詣は日本人にとって宗教上の拠り所とは何かを考えさせられてしまうものになってしまいました。
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