∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ けっこう冷えますねえ ≡≡

床屋談義は天気のことに絞って

 わけもなく気ぜわしくて行きそびれていた散髪に。引退した先代を引き継いだ息子さんも「髪を切るより世間話のほうが重要と考えている」ようなので、今日は新型コロナウイルスの話題で持ちきりになるんだろうなと身構えていたのですが、出てきたのは寒さの話でした。
 寒さとは言っても東京での話。急に真冬らしい寒さになったことや来週後半には春めいてくるようだなどと他愛もないことばかりですが、それでも“床屋談義”としては充分なものでした。

 そんな床屋談義の中で新型コロナウイルスの話は一切出てきませんでした。病気のことを話し始めると症状だけでなく医療行政の対応まで含めて賛否両論、百科騒乱の状態になって収拾が付かなくなるかもしれないと自主規制していたのかもしれません。

 彼のように、商売をしている人たちの間で「誰もがピリピリしているこの時期にわざわざ問題を起こすような“火種”を提供する必要はない」と考えている人が増えているのではないでしょうか。ウワサがウワサを呼んで、収まりがつかなくなってはお店の一大事。しばらくは「触らぬ神に祟りなし」で行こうと考えているのかもしれません。

 中国からの観光客が激減してガランとしてしまっている上野や浅草。中国からの留学生を受け入れる語学学校が何校もある鶯谷や日暮里。成田発の京成スカイライナーが止まる日暮里や上野。ちなみに、日暮里が最寄り駅の谷中だって静かなものです。

 そんな街の散髪屋さんだからでしょうか。店を守る者として用心深くならざるを得ない彼の心情を思うと居たたまれなくなってしまいました。

 ……実は、心ここにあらずで慎重さを欠いてしまっていた彼が頭の天辺がツンツンするほど切りすぎたのですが、今日だけは許すことにしました。

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