∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 燃焼時間5分のロウソクを買いに ≡≡

おばあちゃんの原宿巣鴨

 小雨が降るなか、巣鴨まで行ってきました。
 巣鴨と言えば、とげぬき地蔵の名で有名な高岩寺がある所です。ひょっとしてオマエもどこか調子が悪いのかと思われそうですが、ご心配なく。身体はいたって健康です。

 『おばあちゃんの原宿』と言われるだけあって巣鴨の地蔵通り商店街にはほかの街ではおよそ手に入らないだろうと思われる商品が揃っています。
 巣鴨を一躍有名にした真っ赤なパンツだけでなく、にんにく醤油味のせんべい、にんにくの醤油漬、揚にんにく、咳止め飴、はちみつ、健康シューズ、もんぺに綿入れ半纏、ステッキにシルバーカー……。おみやげ用の塩大福も有名です。とにかく、どの店も高齢者向けの商品で溢れかえっています。もちろん店先に立っているスタッフだって一見して高齢者と判る人たちばかりです。

 余談ですが、僕は10数年前に初めて行った時に入った『すがも園』という有名な食堂で注文をしようとした時、見るからにおばあちゃんの店員さんから「はい、ぼくちゃんは何にする?」と言われ、その言葉を素直に受け入れた記憶があります。

 それはそれとして。
 実は、父と母を祀った仏壇用のロウソクを買いに行ったのです。

 母が亡くなった時に「線香と同じように、一旦火を灯したロウソクは自然に消えるまで消さないほうがいい」という話を聞き、それ以来ずっと自分からは消さないようにしてきました。ちなみに、一般的な長さ5~6センチのロウソクだと消えるまで20~30分程度掛かるのはご存知のとおりです。

 ある時、とげぬき地蔵の山門前の仏具屋さんで長さ1.5センチ程度、燃焼時間5分、香りは蜜蝋というロウソクを見つけて「コレだ、これしかない」と飛びついたのです。
 あれから約10年。いまだにほかの仏具屋さんで見つけられないため、「ロウソクがなくなりそうになると巣鴨」ということになっているのです。

 そんな燃焼時間5分のロウソクをダウンジャケットのポケットに突っ込んでいそいそと駅へ。若い人たちが行き交う駅までたどり着いた時に「現実に戻ってきたぞ」と感じている自分に苦笑いしてしまいました。

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