∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 根岸の喫茶店にて ≡≡

賑やかに、好き好きに

 久々に“根岸の喫茶店”に行ってきました。いつ行っても、どう控え目に見ても、60歳以上の方しかいない、あの喫茶店です。
 いつもどおり、女将相手におしゃべりに興じる人、自分で持ち込んだ昭和前期の名曲を集めたCDを勝手に掛け始める人、お嬢さんらしき女性のサポートを受けながらコーヒーを楽しんでいる高齢女性……。
 ひょっとするとこの店は、老人相手の小振りな居酒屋なんだろうかと感じてしまうこともある不思議な空間と理解してもらうと判りやすいかもしれません。

 この店がほかのカフェと決定的に違うのは「おしゃべり」。

 とにかく賑やかなんです。一旦、席に座れば誰もが知り合い。初対面の人に気軽に話しかけて何か問題でも?といった具合。関西人的に言えば「しゃべってなんぼ」の世界が繰り広げられています。人と人との距離が近い関西ならともかく、いくら下町とは言え、ここは東京・根岸。いみじくも、初代の林家三平師匠が「下町の学習院」と言った根岸小学校から数十メートルしか離れていない場所です。
 ワイワイガヤガヤというよりも数人の声が重なってワーンという共鳴音が聞こえてくる喫茶店なんてそうそうありません。一杯のコーヒーが大量のアルコール同様の効果をもたらすとは思えませんが、集まってくる人たちの目的はそんな“つながりながら好き勝手に過ごせる”時間なのかもしれません。

 このまま通い続けると、僕自身もそんな魔力に囚われてしまいそうです。

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