人の心は変わったのか
亡くなられた方・15,899人
震災関連死・3,739人
行方不明者・2,529人
亡くなられた方々には、改めて、深い深い哀悼の意を表させてください。
また、悲惨な災害を乗り越えようとしている被災者の方々には大きな声でエールをお送りさせてください。
2020年3月11日。東日本大震災発生から9年経ちました。
新型コロナウイルスの蔓延で影が薄くなった感も否めませんが、復旧から復興への道は確実に進んでいるのでしょうか。阪神淡路大震災のとき、目に見えて復興が進んだと感じるまでに10数年掛かったことを思い出すとまだまだ道半ば、それもインフラの復興が中心です。
被災者やその関係者の方々が背負ってしまった精神的ダメージはいまだに“生々しい記憶”として心に焼き付いたままだと思います。このダメージが徐々に緩和され、「あの時はこうだった」と言えるようになった時こそ本当の意味での復興完了の時ではないでしょうか。
この25年間、たびたび未曾有の大災害に見舞われてきた日本は、その都度新たに身につけた知見を施策や対策に活用してきました。
そうやって身につけた専門的な知見に裏付けられた災害対策、たとえば、復旧や復興に向けた直面した課題を克服していく力、正しい方向に向かわせてくれる情報、真摯に向き合ってくれる力強い支援などだけが心強い味方になってくれるものであることに間違いはないでしょう。
はじめて経験する災害と直面しなければいけなくなった被災者にとっては、迅速で正しく、力強い対策しか頼りに出来るものはないのです。
そんな対策と同時に忘れてならないのが“寄り添う力”ではないでしょうか。果てしなく続く大災害との闘いを乗り越えていくためには“頼りにできる存在”が不可欠です。
威勢のいい掛け声や、大袈裟な承認欲求だけの振る舞い、自己満足だけで発するデマや中傷……、大災害になると必ず現れるこういったヤカラや現象を諌めつつ、被災者の意を汲み取りながら復興への道を進む。これから取り組むべき災害復興の課題は人の心の中にあるのではないでしょうか。
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