人生最大の大博打
「トランプ大統領がコロナに感染した」。これだけでも衝撃的だったのに「発症からたった4日で退院し、ホワイトハウスに戻る」。というニュースが飛び交っています。しかも病院のドアから歩いて出て来るところや、ホワイトハウスのバルコニーに立って挨拶してみたり、連続ツイッターをしきりにアップしたりというおまけ付きです。
熱烈な支持者以外で、このニュースに触れた人の中で「ああよかった」と素直に歓迎した人は世界中どこにもいないと僕は確信しています。そう思いませんか、たった4日ですよ。
どんなに高度な医療を施したとしても、どんなに体力があったとしても、どんなにホワイトハウス内に医療設備が充実しているとしても、こんなに早く復帰できたなんて信じられません。
アメリカ国内の医療関係者やメディアからの批判などどこ吹く風。ひたすら“強い自分”を演出して、あと4年間権力の頂点にいようと執着しているとしか思えません。
ドキュメンタリー映画の騎士、マイケル・ムーア監督が「トランプ氏はプロの嘘つきだ。そもそも感染したという事自体がフェイクなのか、そうでないとしても、同情を得るための選挙活動だ」というコメントを発表したのもうなずけます。
彼は自分だけではなく、命令に従っているだけの側近も巻き込んだ命掛けの大博打に出た。
コロナが治り、選挙戦に復帰できれば強い自分を強烈にアピールできるし、コロナなんて大したことはないという持論を証明することも出来る。
しかも、選挙に負けてもコロナのせいに出来る。
もし最悪の事態を招いても、コロナに罹患しながらも職務を果たした勇者として名が残る。
ひょっとすると氏はこう考えているのかもしれません。少なくとも、国防や安定した国内情勢を意識しているとは思えません。
この常軌を逸した行動がどんな結果を招くか、命の大切さは尊重しながらも、批判と侮蔑の目で追いかけたいと思います。
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