慣れない・甘くみない
3連休直前、日本医師会会長が記者会見を行ったが、そのなかに「コロナに慣れないでください。コロナを甘くみないでください」という発言があった。
会見があった後、たしかにコロナに慣れてしまった感は否めないと感じている方は多いのではないだろうか。
今年の初夏くらいまでは毎日発表される感染者数が二桁で大騒ぎしていたのに、いまでは三桁が当たり前のように感じるようになっている。しかも四桁も視野に入れるようになってきている。いわば、ちょっとやそっとの増加では驚かなくなったということだろう。
しかも、学習を繰り返して進化してきた治療方法のおかげで感染者の増加率ほどには重篤者は増えていない現実を「コロナに罹っても大したことはない」と曲解している人も増えているようだ。
政府のGo Toキャンペーンの見直しも、目先の経済的な破綻を恐れるあまり、腰の引けた感染症対策だけで様子をみようとしているのではないか、ひょっとすると、どこかで「増加しても医療がなんとかしてくれる」と考えているのではないか、政治的な駆け引きになっているのではないかなどと疑ってしまう。
立場の違いがあるとしても、“来る者は拒まず”の姿勢で治療を続ける人の言葉には重みがある。キャンペーンの行方がどうなろうと「慣れない・甘くみない」が感染対策の基本中の基本であることは間違いない。
あまりにも苦しい選択で反発したくなる時もないわけではないが、いま一度、羽目を外したいと思う心にカツを入れ、自らを律する必要があるようだ。
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