あり得ることだが、そうはいっても……
こんな報道があった。姫路市の病院でコロナのクラスターが発生したが、共有していたコンピュータのキーボードが感染元がの可能性が高い。
たしかに指先だけだとしても触っているのだから、共有していれば感染の危険性はあるだろう。しかし、しかしである。
報道では「ボタンに高さがあるタイプのキーボード」と伝えていた。おそらく数年前まではビジネス向けのデスクトップPCの標準仕様として付属していたキーボードのことだろう。専門用語で言えば“メカニカルタイプ”。耐久性が高く、価格も安く、修理もたやすいタイプだ。
ちなみに、キーの高さを確保出来ないノートパソコンは、高さが低く、指のストロークが短くて軽いタッチで使える“メンブレンタイプ”か“パンタグラフタイプ”を採用するのが一般的。軽く打てるということで、今ではデスクトップ型のビジネスPCにも使われるようになってきた。
どこにでもあるモノを触っただけで感染するとしたら大事件である。特に銀行のATMのように画面タッチに集中するあまり、アルコール消毒まで意識が回らない装置となればどうすればいいのか戸惑ってしまう。
要は、何かに触った手で目や口を触らないことと、触った後はアルコール消毒を欠かさないことということになるのだろうが、そうはいっても……、である。
医療従事者としては感染対策が不充分だったとしても感染源になったドクターも「たったこれだけのことで」と悔やんでいるのではないだろうか。
今回の騒動も、当たり前だと思っていた何気ない行動のなかにも感染の危険性が潜んでいるという教訓として記憶しておこう。
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