言葉は免罪符ではない。
本当の感謝は態度で示すもの
今日、東京のコロナ感染者が初めて600人を超えた。全国的にも感染者の増加が止まらなくなっている。
毎日のように過去最多という言葉を聞くようになってから特に、医療従事者への言葉によって感謝の意を表する行動が増えてきている。
実は、この感謝することに文句を言う筋合いはないが、どこかに違和感を感じるようになっているのだ。
言葉というものは便利なもので、本心は隠して表面的に取り繕うことだって簡単に出来る。この医療従事者への言葉も例外ではないだろう。
医療従事者が本当に望んでいるのは、市井の人々全員が常に感染予防に心掛けて、医療環境に未曾有の大混乱や経験したことのない危機を招かないようにしてほしいということではないだろうか。つまり「罹るな!、予防しろ」ということである。
医療従事者に言葉やイベントで感謝の意を伝えることが、ある種の免罪符のようになってはいないだろうか。
切羽詰まった状況になればなるほど、人は本心を吐露する時、言葉よりも態度で示すようになるのではないだろうか。心の奥底からほとばしる態度や行動は、頭の中で整理された言葉よりも強い意志表示になるものである。
感染症の治療というのは、人を助けるためにの自ら感染源へ飛び込んでいかなければできない行為である。コロナ治療も例外ではない。どんなに予防措置を取っているとはいっても、危険を顧みず闘わなければ治療にはならないのだ。
感染症に立ち向かう医療従事者は、いわば戦士たちである。「感染しない、させない」生活を貫くことこそ、最前線にいる人々に対する真の感謝ではないだろうか。
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