「412人でも多い」の言葉にびっくり
口だけマスクの3人組がそれなりに大きな声で話し続けている電車で移動したあと、とある事務所に。ここではアルコール消毒と検温、大きめのマスクと間隔を空けた座席と風通しが標準仕様になっているようだった。
そんなガードの高い事務所で最初に出てきた話題は東京の今日のコロナ新規感染者の数字だった。
今日は412人だったらしい。もっと減っていると思っていたのに。昨日は276人だったのに、増えるなんて……
この言葉を聞いて、正直なところ私はちょっと驚いてしまった。月曜日の数字が少なくなるのは毎週のことだし、3日続けて500人以下で留まっている。
数字だけをみれば妥当だと思っていたのに、期待値が大きいのか、それとも評価が表面的なのか。少なくとも、ここでは私の個人的な評価は通じないと瞬間的に悟ってしまった。
誰もがコロナ評論家になってしまった今、人によってコロナ感の違いが鮮明になってきたようだ。ある人がもっと制限とガードは高くすべきだと言っている一方で、厳しすぎる制限は迷惑だと感じている人もいる。ガードさえ高ければ人流や営業時間は考え直す時期が来ていると折衷派の人もいる。なかには口だけマスクの人たちのような誤魔化し派も存在している。
振り返ってみると、1年前は人々の意識はコロナを警戒するか、しないかだけだった。もちろん、評論家然とした人など数えるほどしかいなかった。
コロナ関連の情報がこれだけ入ってくれば、意見や立ち位置が百花繚乱になるのは当然。それだけに誤認識も多くなるし、デマや捏造も増えてくる。
コロナ禍は感染症の恐ろしさ以外に、情報の識別や意識の持ち方まで改めて教えようとしているのかもしれない。
[0209 - 3687]