視線はうっすら霞の掛かった青空に
いい天気だった。
昼前にようやくキーボードの前から解放されて出掛けることにした。たっぷりの陽射しと爽やかに吹き抜ける風を感じながら歩いていると、不要不急のヤボ用でさえ重要な要件だと思えてくる。
背筋を伸ばし顔を上げて動き回れる幸せを存分に味わっているうちに、押しつぶされそうになっていた悩みもどこかに消えていったようだ。
気持ちが晴れやかになると、自ずと視線も上を向き始めるもの。うっすらと霞が掛かったような春の青空も存分に楽しませてもらった。大袈裟なようだが、ひょっとすると“一期一会の至福の時”というのはこういう時間のことをいうのではないかと錯覚するほど魅了されてしまったほどだ。
さて、ひと晩寝たらもう一度現実に戻らねば。心地よく過ごせた時間はそっと心のポケットにしまっておこう。
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