やっぱり春は高校野球から
昨年春は史上初の中止、夏は各校1試合ずつの交流試合のみとコロナ禍に振り回されていた選抜高校野球が2年ぶりに始まった。
出身地の学校が出ればふるさとを思い出し、プレーの一つひとつに若き情熱を感じ、ブラスバンドの演奏にも声援を贈り、敗者には勝者以上に褒め称える。こんなスポーツ大会はほかにはない。春であれ夏であれ、甲子園で行われる高校野球全国大会は野球のワクを越えた特別な存在といっても過言ではない。
それにしても、コロナ禍での大会ということで“らしさ”を創り出すための工夫には驚かされた。
入場行進は初日に試合が行われる6校のメンバーのみで、ほかのチームはそれぞれの地方球場で録画された映像での参加。応援はあらかじめ録音されたブラスバンドの音源をバックにチーム関係者が太鼓と手拍子のみ。一般観客の応援も入場者数が制限されたアルプス席だけに限られている。
何もかもが異例のスタイルになってしまったが、それでもけっこう。やはり甲子園で行われる高校野球は“あって当たり前”のものだということを改めて教えられたような気がしている。
まだ始まったばかりだが、今年に限っては、勝敗や優勝校予想などは話題にしたくない。あえて言えば、チームと学校関係者、そして高野連をはじめとした大会関係者のすべてが勝者だと言いたい。ガンバレ、そしてありがとう。
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