世界中の人々が希望を抱く頃
二十四節気の春分の候がやってきた。江戸時代に著された暦便覧では「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」と書かれている。
昼夜の時間がほぼ等しくなり、明るい時間が増えていく日。先祖に敬意を払い、心の安寧を得る彼岸の中日。待ち望んでいた桜が咲き、春を実感する時期。
春分は二十四節気のなかでももっとも人々に希望を抱かせてくれる候である。これからの約2週間で陽気も完全に様変わりするはずだ。
世界を見渡したとき、昼夜の時間が等しくなる春分は、暦の世界だけでなく宗教的にも“基点”になる日とされることが多いようだ。要するに世界の人々誰もが春の陽気に特別な何かを感じ、節目の日と考え、この日が来ることを待ち望んでいると言ってもいいのかもしれない。
とはいっても、このご時世。コロナ禍収束に明るい兆しが見えてくるとは思えないが、それでも春分を機に何かしら良き変化が起こるのを期待しておこう。
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