マスク姿なので
気付きませんでした
「今日は東京でも10年ぶりに黄砂が観測されました」と夜のニュース番組のお天気コーナーでアナウンスされていたが、まったく気づかずに帰宅したオッサンがここにいる。頭を捻って思い出しても「そういえば、うっすらと春霞が掛かっていたかな」と思う程度で、実感はまったくない。
黄砂というからには“黄色い砂”がゴビ砂漠から中国経由で飛んでくるのだろうと漠然と思っていたが、歩いているくらいでは判別できないようだ。特に日本まで飛来して濃度が薄くなった黄砂は、地上に積もった時点でやっと黄色い砂だと分かるくらいらしい。
黄砂と同様に中国大陸から風にのって飛来する微粒子にPM2.5がある。
黄砂が、たとえ無茶な森林伐採や農地転換による土地の劣化などで砂が巻き上げられた結果だとしても、遥か彼方からやって来る自然のイタズラと言えなくもない。
しかしPM2.5となると工業製品を作る過程で出た硝酸塩やケイ素、アルミニウムなどの有害物質が風に乗って飛来するもの。健康被害を比べれば圧倒的にPM2.5のほうが厄介な存在だろう。
ただ両者とも日本での警戒体制は予報が出る程度で危機感は低い。特に人体に影響する予防法についてはマスクをする程度だろう。
となると、コロナ禍でマスクが必携になっている今は、黄砂の影響も限られているのではないだろうか。なにしろ、ウイルスの侵入を防ぐくらい高い能力をもったスグレモノをずっと着けているのだ。花粉症の原因である花粉にだって効果があるのだから、粒子の大きな砂粒くらい簡単にブロックしてくれるはずだ。
たかがマスク、されどマスク。黄砂の飛来でまたひとつマスクの効用が増えたような気がする。
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