∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 寂寥の夜 ≡≡

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▲『清明の候』‥清浄明潔・桜散る

里親ボランティアに子猫たちを預けて

 我が家には居付き猫がいる。人さまから見れば多頭飼育と見られかねないくらいいる。しかも昨年暮れから今年2月までに8頭の子猫が生まれた。
 子猫たちを踏み潰さないように、歩く時は下を向いて摺り足、寝る時はベッドで寝ている子猫たちに注意して、「かあちゃん」や「マミちゃん」がおっぱいを上げている時は遠巻きにし、お兄ちゃんやお姉ちゃんが子猫たちに注目していると母猫たちと同様に静かに見守り……。

 そんな子猫たちを一挙に里親さんに引き取ってもらった。

 正確には毎週日曜日に譲渡会を開催している方と、区の保護猫ボランティアをやっている方の二人組に来ていただいてお預けしたのだ、8匹のうち3匹は逃げ回ってしまい、後日再度保護するということになってしまったが、それでも保護の第一段階は無事に終わった。

 無事でないのは「かあちゃん」である。つい1時間前までおっぱいを上げていた我が子が見たこともない人に連れて行かれたのだ。混乱しないほうがどうかしている。
 今も子猫たちを探しながら、餌をつまみ食いしたり、水を飲んだりと落ち着かない様子で過ごしている。

 「かあちゃん」や「マミちゃん」には悪いことをした。こちらの目を見て子猫たちのことを問いかけてくる度に謝っているのだが、許してもらっていないように感じている。
 子を持つ母の気持ちは人でも猫でも同じだと分かっていながら、避妊手術を受けさせなかったために、結果的に生まれた子を里親に預けなければいけなかった自分自身も自責と自戒の念で胸が張り裂けそうになっている。

 今夜は寂寥の夜を過ごすことになりそうだ。願うのはあの子猫たちに良縁が生まれることだけである。

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