▲『清明の候』‥清浄明潔・桜散る
9月までに全対象者分確保
アメリカで行われた日米首脳会談で菅総理は中国問題以外にも多くの約束事を交わしてきたが、それとは別にファイザー社のCEOと電話で9月までに全接種対象者分を確保する交渉をまとめてきた。
いつまで待てばいいのか分からない状況だったことを考えると素晴らしい成果としか言いようのない交渉結果である。
だがしかし。電話で交渉するのだったら日本で出来たはずなのになぜアメリカ滞在中だったのだろう。
まさか通話料の多寡が問題だったとは思えない。せいぜい考えられるのは、本来は直接会って交渉するはずだったが、何らかの事情で電話交渉になったということぐらいである。しかし、これも外交交渉の場では考えにくい。
となるとやはり、政治家や官僚、そして随行のシェルパなどの関係者すべての首脳会談以外にも大きな成果を挙げたいと願う気持ちがアメリカ滞在中の電話交渉でという形になったと考えるのが妥当だろう。
ここでも日本的な“政治的”な考え方が働いていたのだろうか。ワクチン供給が確実かつ飛躍的に早くなったことは素晴らしいが、その交渉方法には疑問が残る。
電話でトップ交渉するのが可能だったのなら、もっと早い段階で出来ていたのではないだろうか。
国民の誰もがワクチンの行方をヤキモキしながら待っているのを知っていながら交渉を持ち越していたとしたら。すべては政府内で数カ月前にお膳立てされていたとしたら。
政府が「ワクチン供給時期も通常の政治のうち」と考えていなければいいのだが。
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