すったもんだの末の
全施設休館がもたらす
ポリティカルバランスの変化
東京文化会館・上野の森美術館・国立西洋美術館・国立科学博物館・東京国立博物館及び黒田記念館・東京都美術館・台東区立旧東京音楽学校奏楽堂・東京藝術大学大学美術館及び正木記念館。そして国立国会図書館 国際子ども図書館。
JR上野駅公園口を出て東京都恩賜上野動物公園方向に歩くと音楽ホールが2館、美術館が5館、博物館が2館と芸術関連施設が合計9館と歴史的建造物の図書館が1館点在している。
動物園も含めて“庭のようなもの”と感じている私は、緊急事態宣言の延長が決まったあと、首をひねるような措置があることに気がついた。
国立の施設は開館するのに都立の施設は休館? 開休館の判断基準は?
小さな山の上に文字通り芸術関連施設が立ち並んでいる上野で、国と都の意識の差がここまで如実に出るなんてと呆れ返ってしまったのだ。
ところが事態は急転。突然ともいえる都の休館要請を国が受け入れ、結果的に上野の芸術関連施設は全館休館することになった。
今の御時世、無理をしてでも美術館や博物館に行こうとする人は少ない。つまり全施設が休館しても大きな混乱は出ないわけである。ちなみに私は「静かになっていいワイ」などと呑気に捉えている
しかし、今回の国と都のやり取りを政治的に捉えてみると大きな意味が隠されているように思えてきた。
今回は小池さんの優勢勝ちで決着がついたが、これが度々続くと今以上にポリティカルバランスに歪みが生じるのは容易に想像がつく。
どんな施策を打ち出しても実践するのは現場任せと中途半端で腰が引けている国と“小池百合子のちゃぶ台返し”。国だってこの図式をそのままにはしていないだろう。
国も都も「目指すところは同じ。これからも連携を強めて」とコメントしているが、お互い本心ではどう感じているだろう。
オリンピックを開催するかどうかを決定する時が見ものになってきた。
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『立夏の候』‥夏の始まりは新緑と薫風から
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