∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 三社祭と雨 ≡≡

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雨がそぼ降る中
斎行は無事終了

 令和三年5月15日・16日 三社祭例大祭の式典と新型コロナウィルス鎮静祈願祭、各町のお祓い神事、御神札の授与及びお囃子、巫女舞だけの斎行で無事終了した。だが、祭の花形の神輿の渡御は宮も町内も含め中止された。

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 トラックによる宮神輿という異例の渡御を斎行した昨年と比べ、より強い感染予防策を取った結果、今年の三社祭は完全に神輿なしの祭事になってしまった。

 緊急事態宣言は今年も三社祭をはじめとして東京下町の祭を直撃した。

 そもそも神社の祭礼に付きものの神輿には、神社に祀られる御神体が神輿に乗って各町を渡御し、町と氏子衆を清めるという役割が与えられている。
 御神体が三体ある三社祭では三基の宮神輿が各町会を練り歩くのが習わしになってきた。

 しかし、コロナ禍が蔓延する中、昨年は宮神輿をトラックに載せた形での渡御で終わり、今年はそれも中止された。
 幼稚園児と小学校低学年向けの山車も、小学生用の子供神輿も、大人たちが一年間楽しみにしてきた町内神輿も何もかもが中止された。

 だが、ひとつだけ習わし通りだったものがあった。雨が降ったのだ。

 三社神社の御神体は大川(隅田川)に投げられた投網から引き上げられたとされている。つまり「水」とは深い関係にあるものとされてきた。
 そのため、氏子衆のなかには「宮神輿の渡御が行われる祭事3日目の日曜日には雨が降る」と信じている人が多い。

 縁起を担ぐなら「宮神輿は出せなかったが、雨が降ったということは御神体が守ってくださっている」とも捉えられるわけだ。すなわち、天空のどこかで見守ってくださっているご神体によって、各町会も氏子衆も、お清めを受けることが出来たのだ。

 コロナ禍は市井の人間に寂しい思いをさせたが、今日の雨は、その虚しさを知った御神体が「神輿の渡御がなくても御神体は守っておる」と教えてくださった印なのかもしれない。そう理解しておこう。

 来年こそは神輿の練り歩く祭が斎行されますように。

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立夏の候』‥夏の始まりは新緑と薫風から
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