我先にという風潮はいかがなものか
いまだに終わらない医療関係者へのワクチン接種と並行して高齢者への接種が徐々に進み出している。接種予約も本格的に動き出した。私が住む区でも予約券を発行する直前になっているという
ニュースでは、予約開始とともにドドドッと人が集まり、大混乱が起こっていると繰り返し伝えている。
打てるのならできるだけ早く打ちたいと思うのは当然といえば当然。特に重篤化する可能性の高い高齢者向けの接種となれば“それいけ”となるのもうなずける。
しかも、現在接種対象になっている年齢層は時間的に余裕のある層である。働き盛りのように仕事との兼ね合いを最優先させる必要もない。
だがしかし、である。
順番が回ってくるのにはまだ時間が掛かりそうな私は率直なところ「ちょっと加熱しすぎじゃないか」という印象を抱いている。
そんなに急がなくてもいいじゃないか。
人さまにネット予約を頼むほどのことでもない。電話で充分だ。
これじゃアイドルのライブ予約と同じじゃないか。
なかには「家庭内感染の対象からじいちゃんばあちゃんを外せるな」と不埒なことを考え、飲み会に精出す輩だって出てくるかもしれないぞ。
と、いろいろなことを考えてしまった。
先に打ったからといっても最大でも2カ月早くなるだけ。1年以上誰にも増して注意してきたのだから、あとしばらくの辛抱なんて大した我慢ではないはずだ。
しかも接種率が上がれば国も自治体も催促し始めるに決まっている。それからでも遅くはないのだ。
誰よりも早くと願うのも人情だが、周囲の騒動に巻き込まれないようにしたいところである。度が過ぎて、どこかの政治家や実業家と同じような人生観の持ち主と思われては元も子もない。
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『立夏の候』‥夏の始まりは新緑と薫風から
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