痛みを伴う積極策やむなし
抗体カクテル、酸素ステーション、20代向け接種会場……、6月後半からコロナ禍が急拡大するようになってから1カ月半。ようやく“新たな施策”が動き始めた。
だが、各自治体からは不満や不足の声が次々と上がっているが、もっともだろう。なにしろ国主導でやり始めたのは抗体カクテルに関してだけで、それも医師会からの提言があったから実現したようなもの。つまり、厚労省も官邸も新たな方針を出してこなかったわけだ。
いつの頃からか、国は自治体や専門家から提言があれば検討するという立場を取るようになった。同時に、打ち出す施策はそれまで以上に消極的になった。
この姿勢を取り続けている限り、どんなに緊急事態宣言やまん延防止措置を出しても効果は出ないだろう。
自治体が提言したロックダウン的な措置について、国は時期尚早と却下するか、取り上げたとしても“骨抜き状態”にしてしまうのではないだろうか。
国はワクチン接種が進んで収束に向かうまでは我慢するしかないとでも考えているのだろうか。もしそうだとすると、国の信頼度はますます落ちていくのではないだろうか。
今、国がリーダーシップを発揮して信頼度を高めるためには、大きな痛みを伴う積極策を、具体的な説明と充分な支援とともに打ち出すことがなによりも必要なのではないだろうか。
ロックダウン策の行方が気がかりになってきた。
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『立秋』の候‥残暑厳しいなかにも秋の気配を感じ始める頃。
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