菅総理総裁選不出馬
本日11時55分。菅総理は自民党臨時委員会で総裁選には出馬しないと表明した。
政治の世界は一寸先は闇と言われているが、これほど衝撃的な表明は極めて稀なのではないだろうか。
昨日まで総裁選の前に人事刷新を行うと発言して大混乱を起こしたかと思うと、一夜明けると不出馬だなんて、誰が予想しただろう。
「総裁選よりコロナ対応に専念したい」というのが表向きの理由のようだが、報道では、コロナ対応の不備によって党内に「菅離れ」が急加速したためとしている。おそらく、それ以外にも隠された要因もあるに違いない。
平たく言えば「あっちでゴッツン、こっちでバッタン、足元でグチャッ」という四面楚歌の状態に追い込まれてしまったのだろう。
おかげで自民党内は一瞬にして蜂の巣をつついたような状態になったようだ。これまで総裁選への出馬をためらっていた何人かも一気に声を上げ始めている。報道陣も含めて、この土日は大騒ぎになるだろう。
1年前、安倍前総理が持病の悪化によって辞任したあとを継いだ菅政権はコロナ対応で振り回されてきた。その“コロナの渦”の中、たった1年で「SGDsの取り組み本格化」「カーボンニュートラルの推進」「紙からデジタルを実現させるためのデジタル庁の発足」「規制緩和改革」など時代の変化に適応した施策を実現させてきた。
賛否両論が渦巻き、民意と乖離を起こしてしまったのは“大人の理由”で開催したTOKYO2020くらいだろう。
「優れた実務家が優れたリーダーとは限らない」という法則に従えば、菅総理はマネージメント力は卓越しているが、リーダーに必要不可欠なコミュニケーション力やアピール力、前のめりに感じるほどの熱意、そして誰をも惹きつける包容力に欠けていたということになるのかもしれない。
……さて、岸田さんと石破さん、どちらが次期総理になるのか。答えは見えているような気もするが、一応、注目していよう。
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『処暑』の候‥暑さの勢いが収まり秋の気配を感じ始める頃。
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