制限解除に向けて
今週いっぱいで飲食店などに課されていた制限が解除されたり低減されたりするという。
無条件で解除される自治体が多いようだが、「リバウンド防止措置期間」を設けている東京都は「認証店には無条件」で「非(未)認証店には従来どおり」の条件を要請する可能性が高いようだ。
認証、非認証で差別するのは不公平だ、営業妨害するなという声もあるようだが、私は当然の措置だと考えている。いや、これ以上の違いが出るような策を取ってもらってもいいと考えている。
差別化による公平性維持の原則などと難しいことを持ち出す気はない。ただひとつ、「無理を重ねてきた人にはご褒美を」という判官贔屓(不遇な者、弱い者に同情し肩を持つこと。ほうがんびいき:『日本国語大辞典』)的な感情あるのみである。
市民としての協力、自店防衛、協力金目当て、再開時の顧客信用度アップなど理由はいろいろあるだろう。しかし「稼いでなんぼ」が当たり前の飲食店が、自己資金投入や従業員解雇など、強い痛みを伴う判断を下して協力してきたのだ。この貢献度には計り知れないものがある。
効果があるかどうかが分からない要請より目先の成績を重視したり、要請を真摯に受け止めず、ないがしろにしてきた業者と解除条件が同じになったとしたら、そちらのほうが不公平というものだ。
誰もがグチのひとつも言いたかった。虚しさに涙も流したかった。飲食店や遊興施設の立場では想像することもなかった環境整備にも挑戦した。そんな試練を乗り越えての再開にエールを送らない選択肢はない。
私に言わせれば、行政にはこれ以降の営業許可更新や保健所の立ち入り検査などでも差をつけてもらいたいくらい。出来ることなら、国税庁にも圧力を掛けてもらいたいくらいだ。
行政が「ここからは無理を重ねてくれた店をどこまで応援できるかが課題だ」と判断してくれることを願いたい。
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『寒露』‥朝夕の肌寒さ。紅葉。渡り鳥。そして食欲の秋
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