∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ ある種の実証実験 ≡≡

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検証結果が出るのは数カ月後

 来週月曜日からコロナ対応の制限がほぼすべて解除されることになって街に前向きな気力が戻ってきたようだが、個々人でかなり温度差があるようだ。

「さあ、飲むぞ」と意気込んでいる人がいると思えば、「感染予防をしてほどほどに」と幾分腰が引けている人や、「ブームが落ち着くまで様子を見たい」という慎重派まで、まさに千差万別である。


 しかし、すべての人がこの解除が“ある種の実証実験”だということを理解しているかどうかについては疑問符が付く。

-感染者がここまで減っているのに制限を課すわけにはいかないが、今後感染拡大しないという確信も持てない。ここは、一旦、制限を全面解除して様子を見てみようじゃないか。もし感染が再度急拡大すれば、その時点でこれまでの経験を生かして最大限の制限を掛ければいい-

 約100年前に大流行した「スペイン風邪」以来、ここまで世界中を巻き込んだ感染症はない。しかし、今回のコロナ禍への対処の仕方は当時とは決定的に違う。

 今回のコロナ禍に関しては、治療法も処方箋も曖昧な状況の中、ワクチン、治療薬、マスク、消毒薬など手探りでエビデンスを積み重ねて感染抑止に努めることが出来たが、それでも収束したとは言い難い。まだ戦いは続いているのだ。
 その戦いの延長線上にあるのが今回の全面解除なのだ。

 コロナとの戦いは実証実験の繰り返しだと仮定すれば、今回の解除もエビデンスを得るための実験ということになる。
 科学者や政治的なリーダーが「人々がどんな行動を取り、その結果どんな状況になるのかを検証しないことには次のフェーズに進めない」と考えていたとしても不思議ではない。
 対コロナの壮大な実験に参加するのは日本に住むすべての人間である。別の言い方をすれば、我々は全員が治験対象者なのだ。
 個々の判断がもたらす結果がどうなるか。検証結果が出るのは数カ月後になる。

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寒露』‥朝夕の肌寒さ。紅葉。渡り鳥。そして食欲の秋
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