違和感が残る政策決定
公明党が選挙公約にしていた「18歳以下への給付」がおおむね決定したが、巷では賛否両論が湧き上がっているようだ。
選挙中からコロナ対策なのか子育て支援なのか、どうも的が絞れきれていない公約だと感じていたのだが、この違和感は政策決定の序章だったようだ。
的が絞り切れていなかった報いは、支給金額や方法、支給対象などありとあらゆる所に現れているように感じている。
しかも、生活困窮者向けの支給を目指していた自民党案も活かすために、マイナンバーカードまで登場させた。こうなると、もはや手持ちのカードを総動員させた“ついでにGo”式の政策としか感じられない。
そもそも「コロナ禍で経済的に疲弊した人への支援」と「子育て支援」を両立させようとしたことだけでもややこしかったのに「マイナポイント」まで持ち出すとは、唖然としか言いようがない。
何かを作り出す時、あれもこれもと望んだり、おかしなところを糊塗するための修正を繰り返していると、視点が定まらないギクシャクした仕上がりになってしまうものである。
スタート地点に戻ってやり直すことの出来ない選挙公約なので、こういう結果になってしまったというのは理解できる。だが“相乗り”や“あわよくば”で政策を決定されると、最後に戸惑うのは市井の人間である。このままだと効果だって限定的になりかねないと思うのだが。
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[edition12 / 1110 / 25:00]
『立冬』‥冬間近。小春風と競い合っていた木枯らしが冬を運んでくる
photograph:ikenohata, ueno, tokyo
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