∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 椰子の実とはわけが違う ≡≡

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地球も厄介なプレゼントを
送ってくれたものだ

 ♪名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ
 故郷の岸を離れて 汝はそも波に幾月……

 明治時代に島崎藤村が創作した詩に大中寅二が曲を付けた昭和初期の歌曲『椰子の実』の冒頭である。
 遠く離れた地に流れ着いた椰子の実とは何を指すのか、じっくりと考えてみたくなる抒情詩に、悠久の時間まで感じられそうな曲が合わさった名曲といって差し支えないだろう。

 椰子の実が流れてくるのは感動的な叙情の世界だが、大量な軽石が流れてくるのは想定外の災害である。
 海底火山の爆発で噴出した軽石が分厚い層になって沖縄に襲いかかったニュースを見て「自然はなんと酷い現実を突きつけるのか」と思ったのだが、あれは序章だったようだ。

 想像を絶するような量の軽石黒潮に乗って伊豆七島に襲いかかってきた。

 東京都は各島の港の入り口にオイルフェンスを張り巡らせて流入を防ごうとしているが、オイルフェンスで防ぎきれるのだろうか。幸運を祈るしかない。
 だが、防ぎきれたとしても、軽石を食べてしまった大量の海洋生物が死滅するのは防ぎきれない。
 これも自然の摂理とあっさり納得せず、なんとかする方法はないものかという願いと、どうにもならないという絶望が心のなかで交差している。

……露骨に言えば「黒潮に乗って北上するマグロが死んだらどうするんだ」ということになるのだが……

 軽石が細かく割れて海底に沈むまでにはまだ時間が掛かるだろう。魚介類の宝庫である三陸海岸や北海道東岸に影響が出なければいいのだが。
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[season12/1117/25:00]
立冬』‥冬間近。小春風と競い合っていた木枯らしが冬を運んでくる
photograph:ikenohata, ueno, tokyo
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