∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 原油高騰が起こす値上がりトレンド ≡≡

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国が計画している
国家備蓄の放出で間に合うのか

 私の知り合いに毎日の通勤に自家用車を使っている男がいる。車通勤を基本にしているため、自宅は都心部から電車で30分+徒歩20分という自然溢れる郊外にある。
 その彼が車通勤を諦めたと連絡してきた。理由はガソリン代の高騰である。ガソリンを入れるたびに価格が上がり続け、このままではどうなるか恐ろしくなってしまったので、車を諦めて駅まで自転車で行くことにしたらしい。……このほうが一般的だと思うのだが、ここでは触れないことにしておこう。

 今回の原油価格の高騰について、おさらいしておこう。
 コロナ禍の影響で、経済活動が世界的に停滞すると判断した産油国原油供給量を抑えたために価格が留まるところを知らない勢いで値上がりし続け、その結果、輸送用をはじめとして農業用の燃料費などあらゆる分野で値上がりが顕在化するようになった。要約すればこんなところだろう。

 この事態に対処するため、国は国家備蓄原油を放出してガソリンの末端価格を下げようとし始めた。
 今回の決定は、アメリカからの要請に呼応したもののようだが、同時期に、中国・インド・イギリス・韓国などでも実施されるようだが、国によって取り組み方には違いがあるらしい。
 もちろん、日本は消極派である。備蓄されている量の数日分を“原油の入れ替え”と捉えて放出するらしい。

 この程度の放出で本当にガソリン代が値下がりするのだろうか。

 値下がりの分岐点を見据えたというよりも、放出したという事実をもとにしたガソリン相場の印象操作のように見えるのだが。値上がりする前の価格に戻そうとしたら驚くほどの量を放出しないと間に合わないのではないだろうか。
 それも、方便のように感じる“迅速な対応”ではなく、真の大至急でないと経済状況の改善には結びつかないのではないだろうか。

 産油国対消費国の“石油戦争”になる可能性を秘めた危機ということは分かる。しかし、あらゆる物が値上がりするという危機を乗り切るために、国はできるだけ大胆かつ迅速な対応に踏み切ってくれるはずと期待していよう。

 自転車通勤に切り替えた私の知り合いも、きっと喜んでくれるはずだ。
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[season12/1124/25:15]
小雪』‥冷たい雨が雪に変わる。年の瀬の忙しなさが間近に迫る頃
photograph:ogubashi avenue, nippori, tokyo
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