これまで学習してきた
失敗と成功の蓄積を活かす時
ナミビアから成田に到着した男性がオミクロン株に感染していることが分かった。ヨーロッパを中心にして感染者が次々と見つかっている例を参考にすれば日本でも確認されるのは当然のことだろう。
結果論だが、これまでの日本なら考えられなかったスピードで世界中からの人の入国を停止し、空港の防疫体制も強化しておいた成果が出たわけだ。
しかし、どんなに防疫体制を強化していても必ず潜り込んでくるのが凶悪なウイルスの常。現実に一人の感染者が見つかったということは、これからもバタバタといろいろな入り口から侵入してくるだろう。
制限が掛かっていない国からの入国者、貿易港に入港するタンカーの乗組員、アフリカ東岸から輸入されることの多いマグロやタコなどを積載した大型冷凍船の乗組員など、侵入経路はいくつも考えられる。思いも掛けなかった国から帰国した日本人や永住外国人が持ち込むことも考えられる。
もちろん、抗原検査に限界があることも考慮に入れなければいけないだろう。
今のところ、どこから入ってくるかも、どの程度の脅威なのかも分かっていない。ワクチンもどれだけ効果があるかも分かっていない。
しかし我々は、基本的な感染予防策に想像以上の効果があることを知っている。脆弱だった防疫体制も強化されたことも知っている。
厳しい感染予防と経済活動の維持の両立を目指すなら、できるだけ侵入と拡大を食い止めながら、早め早めの対策を講じることしかないことも知っている。
この2年間、手探りで講じてきた対策で学習してきた“失敗と成功”の蓄積を活かす時が来た。
今回のオミクロン株は、日本が“世界と繋がりながら隔絶する”という矛盾だらけの難題を乗り越えられるかどうかを試す試金石になるのかもしれない。
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[season12/1130/24:55]
『小雪』‥冷たい雨が雪に変わる。年の瀬の忙しなさが間近に迫る頃
photograph:ogubashi avenue, nippori, tokyo
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