大学入学共通テスト
カンニング事件
大学入学共通テストで前代未聞のカンニング事件が発生し、問題発覚後容疑者の女性は実家近くの警察に自首している。
彼女は香川県出身で大阪府内の大学に在籍しながら別の大学を目指している19歳。スマホの機能には精通しているが、受験勉強の仕上がりには不安を抱いていた。
そこで彼女が考えたのは禁断の裏技、カンニングである。
だがそれは古典的な方法ではなかった。試験会場で問題を袖口に隠し持ったスマホで動画撮影し、その場で静止画像を作成し、あらかじめ解答を依頼していた人間に送信。解答の返信を待つというものだった。
解答を依頼されていたのは、数カ月前に家庭教師紹介サイトを通して知り合った大学生数人だったが、彼らは全員がカンニングに加担しているとは思っていなかった。
この事件を知った時、最初に抱いたのは「試験会場でスマホを机の上に出して作業していたのか。試験官は何をしていたんだ」というアナログ感覚の疑問だった。
ところが実際は「袖口にスマホを隠し持って動画を撮り、静止画に変換して、解答を依頼していた人間にテキスト込みで送信し、返信が来るのを待っていた」ということらしい。
正直なところ、私は“手口”のほとんどの部分が理解できていない。
試験前に大学生とのやり取りが“オレオレ詐欺の変化形”だということはすぐに理解できた。
だが、袖口からスマホのレンズだけを覗かせて撮影という部分からあとの行動はすべて“チンプンカンプン”。動画の中から必要な箇所を抽出して静止画にしたとか、静止画にテキストを添えて送信したという作業に至っては“新手のスパイ映画のワンシーン”を想像してしまった。
・試験官がいる試験会場で左手首にスマホをくくり付け、頬杖をつくような姿勢で撮影し、両手を試験問題の上において静止画を作って送信したということなのだろうか。
・一人でやったと証言しているようだが、外部に協力者がいなくてもできるものなのだろうか。
・そもそもスマホって、そんなに簡単に使いこなせるものなのだろうか。
・こんな前代未聞のカンニング計画を練り上げるのに、どれだけ時間と労力を使い、どれだけ勉強時間を削ってしまったのだろうか。
これがデジタル時代というものだろうか。従来のカンニングとは次元が違い過ぎる。単に試験官の監督ミスでは済まないだろう。
ある意味、カンニング界に新時代が到来したようだ。試験関係者がデジタル・デバイスの扱い方の洗い直しをしはじめること確実だろう。
……まあ、私自身がもう少しスマホに慣れることも必要だが。さっぱりワカラン!
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[season12/0128/25:10]
『大寒』‥見えない所で春の準備が進む、一年でもっとも寒い時期
photograph:daffodil at kudanshita, chiyoda-ku
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