∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 『雨水』の節季 ≡≡

f:id:Yutaka_TAWARA:20210126140911j:plain

春の訪れを感じ始める『雨水』の節季は
渡り鳥にとっては北帰行の頃。
「別れの時」が「新たな出会い」を生む

 二十四節気では今日から『雨水』。降り続いていた雪が徐々に雨に様変わりしてくる頃である。『暦便覧』に「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されているところをみると、旧暦で季節を感じていた江戸時代には雪どけの時期と思われていたのだろう。

 『雨水』の頃は『大寒』の頃までに北国から飛来した渡り鳥が、羽根を休めつつ子を生み育てて、小鳥たちと共に北の国へ帰っていく“北帰行”の時期でもある。

 春には桜が咲き誇り、夏には蓮の花が咲き乱れる上野・不忍池で子育てをしてきた渡り鳥たちも北へ帰り始めている。
 渡り鳥一家を外敵から守ったり、北風を遮ったりするために池一面に残されていた蓮の枯れ草も役目を終えて刈り取られ、今度は咲き誇る桜の花を水面に映す“鏡”になっていくだろう。

 渡り鳥の北帰行が盛りを迎える『雨水』の節季は「ひとつの別れが新たな出会いを生む時期」と捉えることも出来る。いわば「重苦しかった舞台設定が、明るく希望に満ちたものに変わる時期」と言ってもいいだろう。

 どんな出会いが待っているのか楽しみにしてみるのも妙味かもしれない。
____________________________
[season12/0219/25:10]
『雨水』‥春間近。雪どけ。春を呼び込む雨。そして北帰行。
photograph:MIGRATORY BIRD at sinobazu pond, ueno
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄